
ハーモニー・コリン監督の「
MISTER LONELY」を見た。マイケル・ジャクソンになりきることでしか自分のアイデンティティを持つことが出来ない青年がおなじような境遇をもつ人々(マリリン・モンローやチャップリンなどがいる)とのなかで自分を見つけ出すというストーリー。境遇は全く違うけれど、誰かに成り代わったほうが楽だということは(それがどこか間違ったものであるとわかっていても)とても共感できることだった。自分を好きになるというのは本質的には誰しもが持っているものだが、それが他人と関わり合いを持ってくるとそれを保つのが非常に困難になることがある。だから自分を傷つけないように別の殻をかぶり(かっこうまではいかなくとも)、演じ分けるということを本能的にしてしまうのだろう。中谷美紀が「まさかハーモニー・コリンに泣かされるなんて!」とコメントしていたがまさにそのとおりだった。

もう一本はアン・リー監督の「
BROKEBACK MOUNTAIN」を見た。簡単にあらすじをいうと山奥で男二人仕事をしていたらデキちゃったというボーイズ・ラブ的な話である。しかしこのふたりの愛情は本当に純情なものなので、暑苦しいマッチョのメンズのからみのわりにさわやかである(山の風景がそうさしているのかも知れないけど)。いろいろ突っ込みどころは満載ではあるが(家の前でキスしてたらそりゃ奥さんも気づくだろうとか)、人のつながりというものの深さを感じさせられる映画だった。